大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和32年(あ)3253号 決定 1958年10月08日

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人泉芳政の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反(原判決認定の如き事実関係の下においては、被告人が本件不動産を水谷錠一に二重売買をした当時は既にその所有権は第一の買主若尾緑一郎に移転しておったものと認めるを相当とし、したがって被告人の本件所為を横領罪に問擬した第一審判決を是認した原判決は正当である)、量刑不当の主張を出でないものであって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例